オペコード	構文	アドレッシングモード	バイト数	命令サイクル	注
88	ADC A, #const	Immediate	2	2	1
86	ADC A, (X)	Indirect	1	3	1
84	ADC A, dp	Direct Page	2	3	1
94	ADC A, dp+X	Direct Page X-Indexed	2	4	1
85	ADC A, !abs	Absolute	3	4	1
95	ADC A, !abs+X	Absolute X-Indexed	3	5	1
96	ADC A, !abs+Y	Absolute Y-Indexed	3	5	1
87	ADC A, (dp+X)	Direct Page X-Indexed Indirect	2	6	1
97	ADC A, (dp)+Y	Direct Page Indirect Y-Indexed	2	6	1
99	ADC (X), (Y)	Y-Indirect to X-Indirect	1	5	2
89	ADC dp, dp	Direct Page to Direct Page	3	6	2
98	ADC dp, #const	Immediate to Direct Page	3	5	2

注
1. 結果はアキュムレータに返される
2. 結果は第1オペランドに指定されたメモリに返される
 

nv--h-zc

n: アキュムレータのMSBがセットされる
v: サインドオーバーフローがあった場合にセットされる
h: bit3からbit4への繰上りが発生した場合にセットされる
z: 演算結果が0の場合にセットされる
c: 算術オーバーフローがあった場合にセットされる

ADC命令はオペコードによって指定されたアドレッシングモードに従って、オペランドで指定された値とアキュムレータまたはメモリの間で和を取り、アキュムレータまたはメモリに結果を返します。
演算の結果、ビット8への繰上り、すなわち算術オーバーフローがあった場合はオーバーフローフラグはクリアされ、キャリーフラグがセットされます。
また、演算の結果、符号が意図しないものとなった場合、すなわちサインドオーバーフローがあった場合はオーバーフローフラグがセットされ、キャリーフラグはクリアされます。

なお、キャリーフラグがセットされている場合、ADC命令はさらに1を足します。これはオーバーフローによる桁上がりを適切に表現するためです。


レジスタ幅を超える大きな数同士の加算を行う場合、次の例のように下位バイトから順に計算を行います。一連の操作において、キャリーフラグの状態を外部から変更してはいけません。
ただし、操作の開始時には必ずキャリーフラグをクリアする必要があります。ちょうど筆算と同じような方法で行います。また、ADC命令がキャリーを余分に足すという操作は、筆算における「繰上りの1を足す」操作と全く同じものです。
なお、16ビット長の加算の実行には、ADDW命令を利用することができます。

ADDW命令
SBC命令
SUBW命令