BCC 命令 (Branch if Carry is Cleared/ Branch Less Than)
キャリーフラグがクリアされている場合に、指定された場所へアセンブリの実行位置を変更します。
BLTはBCCのエイリアスです。

BCCオーバーロード
オペコード 構文 アドレッシングモード バイト数 命令サイクル
90
BCC near
BLT near
PC Rel.
2
2
1, 2


1. 実際に分岐が発生した場合、1サイクル追加
2. エミュレーションモード時1サイクル追加
 
フラグ変化
-------

この命令はステータスフラグを変更しない。

解説
BCC命令はキャリーフラグがクリアされている場合に、現在のプログラムカウンタを基準に、オペランドに指定された符号付8ビットオフセットの示すアドレスへプログラムの実行位置を変えます。
通常は、CMP命令などの比較演算を伴って実行されますが、用途によってはそのほかの命令を伴って使用されることがあります。

次の例は比較演算とBCC命令を利用した簡易的な for ループの実装です。1から指定された数までの整数の和を計算します。
なお、ほかの命令を利用することで、この例と等価なコードをより簡潔に実装できます。
; BCC for-Loop Sample
; Calculate sum[k=1 to n] k

LDA	n	;
STA	$02	;
LDA	#$0000	;
STA	$00	;

loop:
INA		; A = A + 1, this is the "k"
TAX		; X = k
CLC		;
ADC	$00	;
STA	$00	;
CPX	$02	; k - n
BCC	loop	; if n > k then goto loop
参照